産カン北海道

日本産業カウンセラー協会北海道支部の会員、養成講座受講の方々の交流の場

【産カン川田の旭川通信】第12回 「『オプションB』を読む」(最終篇)

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こんにちは!!

旭川在住の産カン川田です。

 

 

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川田さん、UPが遅くれてしまいスミマセン!

 

 

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魚屋が繁盛だったのですね~!!

 

 

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 いや…儲からないのに忙しくて…。

 

 

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そういえば前回、4月7日に旭川で開催された「傾聴トレーニング&交流会」に私も出席すると申しましたが、仕事の関係で結局、参加できませんでした。

ごめんなさい。

きっと、盛り上がったんだろうな~。

 

 

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実は自分も参加できず、会員部の宗原さんがビシっと仕切ってくれました。

 

 

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次回、あったら行きますね!!

 

 

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はぃ、僕も行きたいです!!

 

 

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さて、もう1年になりますが、去年の4月から「オプションB」という本を題材にして勉強していまして、今回はその最終章である第10章を取り上げます。

心に響いたところをピックアップしますね。

 

『トレーシーは昨夏、ダンとの死別から5年を経てミッシェルと結婚した。今もダンが恋しいし、再婚してもそれは変わらない。でも、チャンスをつかむことの大切さを、身に沁みて感じているそうだ。だって人生はあっという間に終わってしまうことがあるのだから。「こんなことをいうのはよくないかもしれないけれど、これまでの人生でいまがいちばんしあわせなの」と教えてくれた。「この世の美しいものごとを味わうには、とびきりひどい経験をすることも必要なのかもしれない」』Tracy still misses him and says that getting remarried has not changed that, but she feels strongly about seizing opportunities because life truly can be over in a heartbeat. " I almost hate to say this, but  I am the happiest I have ever been in my life, " she told me, " Sometimes it takes going through something so awful to realize the beauty that is out there in this world ".

 

 

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ふーむ…そういった価値観ですね。

自分に置き換えると、どうだろう…。

 

 

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愛する人と死別したからといって、それから先の人生で誰か別の人を愛してはいけないというわけではない。

当たり前のことですが、抵抗があるかもしれませんね。

あるいは、他の人からどう見られるかが気になるとか。

でもこの「OPTION B」という本を1年にわたってここまで読み込んできて、ここまでいろんなプロセスがあって、そしてやっとたどり着いたこの境地だからこそ言えることってあると思うんです。

死別直後では決して到達できなかった結論。

「自分も幸せになってもいいんだ」という気持ち。

私個人としては2年前にシーズーが亡くなって、とても悲しくて次の犬をという気持ちにはどうしてもなれなくて、今でも変わりませんが、でも少しずつ気持ちも変わりつつあるのかなという感じはしています。

 

 

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そうですか、実は自分もトイプードルのルーンちゃんとの生活です。

彼女はだいぶ高齢ですが、まだ元気だったりしています。

その先のことはまだ考えられないけど、そういった心境になるのですね。

 

 

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今年の夏あたり、よい出会いがあれば新しいワンちゃんがうちに来てくれるのかなと楽しみにする自分の気持もある気がしています。

 

次です。

 

『恋愛が、悲嘆においてタブー視される話題であるように、笑いも物議を醸しがちな問題である。だれかが亡くなると、何を冗談にするのも不謹慎に感じられる。さらにいけないとされるのが、死そのものを笑い飛ばすことだ。でも私自身はしょっちゅうやってしまう』If love is the third rail of grief, laughter is equally charged. In the face of death, it feels wildly inappropriate to joke about anything. Even worse is joking about death itself. But every so often, I found myself doing it.

 

 

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う~む、またしても難しい…。

自分は無理かなぁ~。

 

 

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日常生活の中で「カウンセリング」というほどではなくても、わりとしっかり相手の話を聴き込んでいるときってあると思うんです。

そんなときに、相手の方からいかにも「ここは笑うところですよ」みたいな感じで話がされたときに、それに合わせて笑ってしまうと相手は不機嫌になってしまうことがありますよね。

 

 

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そうですよね。

変な話ではありますが、笑ったあとの気まずさが残っちゃう。

 

 

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「笑うなんて失礼じゃないか」と言われてしまうこともあります。

こちらはただ同調して笑っただけなのに。

多分、こちらが笑う直前までは、相手も笑ってほしいって思ってるんですよね。

でも、こちらが笑った瞬間に、なにか馬鹿にされて丁重に扱われていないような感覚が沸き起こって不機嫌になってしまう。

だからやっぱりどんなに相手が笑ってほしそうでも、真剣な話をしているときは笑ってしまうとよくないですよね。

「不謹慎」って本当に、それを言われてしまうとすべてが一撃で終了してしまうパワーワードだと思います。

 

次です。

 

『レジリエントな2人の個人間のつながりというだけでなく、つながり自体がレジリエンスを持つようになるのだ。私の亡き友ハリエット・ブレイカーは、愛に関する著作を多く持つセラピストだった。彼女がよくいっていたことだが、どんな関係にも当事者が三者いる。「自分」、「相手」、そして「関係」そのものである。「関係」も、守られ育まれなくてはならない、意味のある実体なのだ』It's more than two resilient individuals connecting - resilience becomes a feature of the connection itself. My late friend Harriet Braiker was a therapist who published many books on love. She often said there were threeparties in any relationship: you, the other person, and the relationship itself. The relationship is a meaningful entity that needs to be protected and nurtured.

 

 

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あっ、これは何かわかるかな…「関係」性ですよね。

これはものすごく大事ですね。

 

 

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これは産業カウンセラー協会に属している皆さんなら、普段から感じていることですよね。

リレーションと言うかラポールと呼ぶのか、他の言い方をするのかは場合によると思いますが、それが出来上がればそれ自体にもレジリエンス的な効果があるのは体感的に理解できます。

お互いが二人の間にある良好な関係性によって包まれて守られる、みたいな感覚ってあると思うんです。

そして、著者が言いたいことは「だから勇気を出せ」ってことなんだろうなと感じました。

 

そして最後のセンテンスです。

 

『悲劇は自分のせいではなく、すべてにおよぶわけではなく、ずっと続くものでもない。しかし、レジリエンスはちがう。私たちは生涯を通して自分の力でレジリエンスを育み、すべてに広げ、永遠に持ち続けることができるのだ。(中略)私たちはみな、自分のなかに強さを見つけ、ともに力を育んでいけるはずだ。私たち一人ひとりのなかに、けっして消えることのないともしびがあるのだから』Tragedy does not have to be personal, pervasive, or permanent, but resilience can be. We can build it and carry it with us throughout our lives. (snip) We can all find strenght within ourselves and build strength together.There is light within each of us that will not be extinguished.

 

 

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そうか「ともしび」かぁ…。

なんだかローソクの火のように揺れ動くけど、力のある、そんな感じですね、きっと。

 

 

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1年にわたったこの連載の最後の言葉に、これを選びました。

ちょっと復習すると、最初の方でポジティブ心理学創始者であるマーティン・セリグマンが提唱している、苦難からの立ち直りを妨げる「3つのP」の話をしました。

 

自責化=Personalization

普遍化=Pervasiveness

永続化=Permanence

でしたね。

 

さらにこの本を読み進めることは、すなわちこの「3つのP」を克服する旅でした。

そしてその終着地での結論が「私たちはみな、自分のなかに強さを見つけ、ともに力を育んでいけるはずだ」ということなんだなと解釈しました。

ここでのポイントは現在の私たちがすでに十分なレジリエンスを持っているのではなく、「育んでいけるはずだ」となっている点だと思います。

つまり、今、十分なレジリエンスを身に着けていなくても、今後身につけることができるはずだという未来への希望を結論にしているのが、嬉しいなと感じました。

 

 

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そうですね、未来への希望的話法で物語がクロージングされていますね!

読了感が爽快でした!

ありがとうございます!

 

【本編終了】

 

 

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 このコラムの原稿を書いている、「旭川在住の産カン川田」こと私は、今年50歳になります。

「人生の午後」とはよく言ったもので、子育てがおおむね完了したここ3年ほどは、なんとも言われぬ物寂しさを感じていました。

 

私の本業は地方公務員ですが、ライフワークとしてうつ病患者のご家族のサポートをしています。

その中で1年半ほど前に、まさにサポート中だったクライアントの配偶者の方(うつ病患者)が自死されるという事態が発生し、とても申し訳なく思うと同時に強いストレスと悲嘆の感情に繰り返し襲われるということがあったので、救いを求めるようにこの本をむさぼり読んでいました。

読み進めるたびに、良い本だな、良いこと書いてあるなと思っていたものですから、皆さんにも本書の内容をお伝えして、意見交換をしたいと思って、このようなコラムを書き始めました。

 

このコラムがすこしでも支部の皆さんに何かを提供できていたらいいなと思います。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

 

 

【おまけの旭川クイズ】

 

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魚屋セキカワさんには許可をいただいていませんが、許してくれるなら、次回から新連載をスタートしたいと思っています。

 

 

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ぜひお願いします!!

 

 

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今回のクイズは旭川には関係ありません。

私が新連載で取りあげようと思っている本は、次の3つのうち、どれでしょう?というクイズです。

 

A:『自分の価値を最大にするハーバードの心理学講義』

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B:『内向型人間の時代』

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C:『齋藤孝の聞く力』

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(つづく)